シグブラ
第135回:“青春18きっぷで山形と秋田ブラブラ

第135回:青春18きっぷで山形と秋田ブラブラ

August 29, 2018

夏と言えば「青春18きっぷ」の旅である。今年も SIGMA dp2 Quattro を手に列車に揺られてきた。ここ最近猛暑が続いている。なので少しでも涼しそうなところへ、ということで東北は山形〜秋田方面に向かうことにした。しかしそう甘くはなかったのである。夜は東京より涼しいものの、日中の気温はほとんど変わらず。湿度が低い分少しだけマシだったが、結局は炎天下の中撮り歩くことになった。

朝の駅は静かだ。やや涼しいものの例年の爽快感はなく、ムワッとした空気の中発車を待つ。暑さのせいか18きっぷを楽しむ人も少ない印象だ。列車に乗ってしまえば空調が効いているので快適に移動ができるのがうれしい。

酒田の駅で街に出た。駅の観光案内所に立ち寄ると無料で自転車を貸してくれるという。レンタルには身分証明書の提示も不要でなんともアバウトな感じ。炎天下の中歩くつもりだったのでこれ幸いとばかり借りることにした。ペダルを漕いで山居倉庫に立ち寄る。明治26年に建てられた米の保管庫は佇まいが美しかった。

目的だった日本最初の写真専門美術館「土門拳記念館」は実に見応えがあった。予定の時間をオーバーして鑑賞したため、1本列車を遅らせることになったくらいである。建物も庭園も美しかった。作品を観たあとは再びペダルを踏んで市街地に向かう。

レンタサイクルはいわゆる「ママチャリ」である。前に大きなカゴが付いた代物で、もちろん電動アシスト車ではない。変速機もないため上り坂はしんどいが、これで知らない街をブラブラ徘徊するのはなかなか楽しい。あちこち立ち寄ったり、止まったりして気になったものに SIGMA dp2 Quattro を向けてシャッターを切る。こんなお気楽でのんびりした旅にシグマのカメラは最適だ。

下調べもなしにペダルを漕いでいると、映画「おくりびと」のロケ地だったという場所に辿りついた。建物の前に立つと、以前鑑賞した映画のシーンが蘇る。こんな偶然があるからブラブラ旅はやめられない。SIGMA dp2 Quattro でその Foveon 物件ぶりを撮影する。

1本列車を遅らせたので街をブラブラする時間ができた。海沿いにママチャリを漕ぎ、お盆の地方都市を走る。歩いている人は皆無だ。貨物線の線路を越えるとき、雪が残る鳥海山の姿が見えた。山の上は涼しいだろうか、と考えながら進む。しかし本当に暑い。今晩は宿で冷たいビールを飲むのだ!と心に誓ったのであった。

翌日は秋田から日本海沿いにさらに北に向かった。人はさらに少なくなり、列車はガラガラだ。蝉の声を聞きながら、乗り換え駅でのんびりと発車を待つ。向かいのホームではカップルが反対方向の車両を待っている。青春18きっぷの夏である。

こうやって列車の旅をしていると、カメラを持った鉄道ファンによく出会う。駅に停まっている列車を熱心に写している様子を見かけるが、シグマの Foveon 機は実に素晴らしくそれらのディテールを写し取ることが可能なので、ぜひ一度手にして撮影してほしいと思っている。

あてもない旅は面白い。思いがけない光景や食べ物、飲み物に出会うからだ。青春18きっぷはその名称から年齢制限があると思われがちだ。しかしそんなことはなく誰でも使えるブラブラ撮影にピッタリの切符なので、シグマのカメラを持ってあてもない旅に出てみてほしい。販売期間は8月いっぱいで、使用期限は9月10日までなのでチャンスはまだある。お試しあれ!そういえば今回は秋田と青森県境の浜辺にある海の家で食べたカレーライスが絶品でしたぞ。さて次はどこをブラブラしようかな。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

シグブラフォトウォーク

シグブラフォトウォーク

シグブラフォトウォーク

シグブラフォトウォーク

シグブラフォトウォーク

シグブラフォトウォーク

シグブラフォトウォーク
Page Top