シグブラ
第136回:“晩夏の渋谷界隈ブラブラ

第136回:晩夏の渋谷界隈ブラブラ

September 12, 2018

9月の初めに原宿駅前から渋谷駅前までブラブラとスナップを楽しんだ。日射しは強かったが、どことなく爽やかな風が吹き抜けたその日は、夏が終わったことを感じさせた。空も高く、雲は秋の装いであった。
建て替えられるという原宿の駅舎前から歩き始め、人がひしめく竹下通りを抜け、裏原宿を徘徊し、宮益坂に抜けるというルートを辿る。界隈は相変わらず海外からの訪日客が多く、まだインバウンド需要が存在することを確認できたが、これは2020年の東京オリンピックまで続くのだろうか。そんな事を思いながら、SIGMA sd Quattro H と、全域 F1.8 のズームレンズ2本で撮り歩く。この組み合わせは、シャープにそしてクールに晩夏の街をイメージどおりに写しとってくれた。

特徴のある意匠が象徴的な原宿駅。2020年東京オリンピックのため、バリアフリー化工事が始まっている。この愛すべき佇まいがどうなってしまうのかとても心配である。SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art はそのディテールをキッチリと収めてくれた。

午前中だというのに多くの人たちで賑わう竹下通り。そのほとんどが観光客である。近ごろの若い人は「タケノコ族」なんて知らないんだろうな、と思いつつ SIGMA 50-100mm F1.8 DC HSM | Art で撮影した。

竹下通りは様々な店が建ち並ぶ。原宿名物のクレープ屋から家電量販店、ファストフード店、洋服店などなど。立ち止まって見ていると、多くの若い人たちが楽しそうに買い物をしている。ふと前方を見るとサングラスの店があったので、SIGMA 50-100mm F1.8 DC HSM | Art を向けてみた。ミラーレンズの中に自分の姿が確認できた。

ヘビがのたうつようにグネグネとした道を歩く。誰でも知っているような店が並んでいる表通りより、不規則なカーブを描く裏原宿をブラブラする方が楽しい。たくさんある店も個性的だし、歩いている人たちのファッションもユニークだからだ。とあるエリアでは化粧品会社のプロモーションが行われていた。

洒落たカフェや賑わうアウトドアショップなどに混じって、地元の人たちの生活が手に取るように垣間見えるのも裏原宿から渋谷界隈の魅力だ。ブラブラと歩いていると、昔ながらのアパートや商店が意外と残っているのを発見できるはず。

昔この界隈に暮らしていたので、どの通りにも思い出と愛着がある。今、渋谷駅界隈は大規模な再開発中だが、いくら高層ビルがたくさん建ち並んでも、それらを消し去ることはできないだろう。ただ残念なのは通った店が多くなくなってしまうことだ。

ビルのガラスからの反射が横断歩道に降り注ぐ。日射しは強かったが、空気は明らかに夏の終わりを告げていた。光の色が夏とは違うのだ。ヌケ感がクリアになってきた印象だ。遠くがよく写るようになってきたのでよくわかる。シグマのカメラとレンズは確実にそれをキャプチャーしてくれるのがうれしい。しかし、もう9月も半ばである。短パンでブラブラとフォトウォークできる時間もわずかだろう。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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