シグブラ
第160回:“晩夏の道頓堀ブラブラ

第160回:晩夏の道頓堀ブラブラ

September 11, 2019

夏の終わりに大阪に行った。東京から出向くとこの地は活気に満ちあふれていて羨ましく見える。目抜き通りは世界中から来た観光客で賑やかだし、夜に出歩けばありとあらゆる魅力的な店が軒を連ねている。ジャンクフードをはじめどんな食べ物も美味いし、もちろん酒も美味いときている。道頓堀のネオンサインはフォトジェニックにきらびやかに光り、おびただしい数の旅行者がカメラを向ける。つまりこの界隈はとても魅力的なのである・・・。そんな道頓堀も翌日の午前中はまるで二日酔いのように沈んでいた。眠い目をこすりながら SIGMA dp2 Quattro を持って水辺をブラブラと撮り歩く。すると道端で寝ている人、警察官に諭される人などさまざまな人間模様を見てとれた。近隣を何回も徘徊したがあっという間に時間が過ぎてしまうほど撮影に集中できた。近日中に登場予定の SIGMA fp でこの周辺を撮影したらどのように写るのか楽しみである。

まだ目が覚めていない午前中の道頓堀。小さな船が現れて川面に浮かぶゴミをスーッと拾っていく。ときおり小魚が跳ねて水紋を作った。

川っぺりに喫茶店を発見した。どうやら水面近くでコーヒーを飲める感じである。入ってみようと入り口に向かったがまだ営業していないような雰囲気であった。残念。

喫茶店の脇から道頓堀川沿いの遊歩道を歩く。橋の向こうには湊町リバープレイスがそびえていた。川の水はとても澱んでいる。

そんな濁った水だがよく目をこらしてみるとボラが泳いでいるのが確認できた。その様子にカメラを向けていると奇異の眼で見られた。やっぱりアヤシいですかね?

道頓堀川遊歩道「とんぼりリバーウォーク」は夜の賑わいがウソのように静かだった。海外から来た少女の集団が何やら立ち食いをしているだけである。

ちょっと歩くと、とんぼりリバーウォークで寝ている人を発見した。午前中はまだしのぎやすい気温だが、昼ころからは酷暑の予報なのでちょっと心配である。その頭上にはスイーツショップに行列を作る女性たちの姿があった。

さらに歩を進めると出勤途中らしき警察官が、少女2人を何やら諭しているシーンに遭遇した。しばらく撮影していたが3人はこのまま動くことはなかった。

やってきた遊覧船に乗ってみた。この「とんぼりリバークルーズ」は20分かけてコース上に架かる9つの橋を巡るものだ。ガイドによる軽妙な解説と掛け合いを聴きながら道頓堀の理解を深めることができる。水はきれいではないが楽しい話しを耳にしながら見る風景はなかなか新鮮であった。さて船を下りたらブラブラと美味しいお好み焼きを食べに行こうかな、と思いながら SIGMA dp2 Quattro のシャッターを切った。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

シグブラフォトウォーク

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