シグブラ
第159回:“45mmで残暑の渋谷ブラブラ

第159回:45mmで残暑の渋谷ブラブラ

August 26, 2019

暑い夏が終わろうとしている。今年のお盆は「酷暑」と「台風」とでブラブラ旅をいくつか断念しなければならなかった。なのでほとんど東京近郊にとどまっていたのだ。幸い注目のレンズ SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary が登場したので、これを持って近郊を撮り歩いたので退屈することはなかった。このレンズ、本当にいい。まず造形が素晴らしい。レンズを机の上に置いて眺めているだけでも飽きない。ほれぼれするスタイルである。次に手に取ってみる。絞りリングをカチカチと回転させて楽しむのだ。クリック感が実に心地よい。音も上質なのである。そして最後にパナソニック LUMIX S1R に装着して撮影をする。うーん、ボケ味が美しい。ピント面から優しく柔らかくボケていく様は「お見事」のひと言である。とひとしきり冷房の効いた部屋の中で戯れたあとは、日が傾いて暑さが和らいだ街に繰り出すのであった。

渋谷・ハチ公前交差点は暑さにもかかわらず多くの人で賑わっていた。酷暑の影響でUSB扇風機を持った女性や、空調服を着た作業の人をよく見かけた。暑さが盛りの時は身の危険を感じる気温だったので無理もないだろう。

ハチ公前は木が立ち並び日陰となっているので、待ち合わせの人や記念写真を撮る人たちが多い。ここに陣取ってそれらの人がどんな機材を使っているか観察するのも面白い。

裏通りに入るとオリンピックに向けての再開発で公園が閉鎖されていた。振り返ると飲み屋街の提灯の向こうに建設中の高層ビルが見えた。この酒場の街並みは残ってくれるのだろうか、などと考えた。

SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary はLマウントカメラの常用レンズになるだろう。軽量コンパクトさはもちろん開放から芯がある描写と、美しいボケ味があるからだ。きっと SIGMA fp とのレンズキットも登場するに違いない。

渋谷で育ったのであらゆる路地を知り尽くしている。しかし再開発真っ只中のこの街は、持っていたイメージをどんどんと上書きし続けている。ヒト、ストリート、ビルなど面白いように変化していく。来る度に長時間ブラブラと撮り歩いてしまう。

SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary の 45mm という距離感が好きだ。つかず離れず自然で緊張感のない間合いがいい。特に渋谷のような人が多い街にはピッタリなのかもしれない。

渋谷は新宿と較べて年齢層が低い街というイメージを持つ人が多いが、丹念にブラブラ歩けばオトナのテリトリーも多いのを発見できるだろう。そういう場所は駅からやや離れたアヤシい一角に多い。それが堪らない。

そんな店に入ってビールを注文する。爽やかな液体で喉を潤しながら周りの人々の会話を聞く。海外の人たちが話す日本についての印象が興味深かった。窓の外に目をやるとだいぶ日が傾いたようだった。

再び渋谷をグルッとブラブラ周遊する。この時間になると暑さもしのぎやすい。日も随分短くなってきた。Foveon機だと撮影がしんどくなるシーズンも近い。なので SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary にピッタリな SIGMA fp の発売を早期に望みたいものである。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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