シグブラ
第156回:“港町の路地裏ブラブラ

第156回:港町の路地裏ブラブラ

July 10, 2019

雨が止んだので午後から出かけることにした。どこに行こうか考えながらあてもなく電車を乗り継ぎ、駅ナカで食事をしたりコーヒーを飲んだりして辿りついたのは横須賀駅だった。この駅で降りるのは久しぶりである。今回のカメラとレンズは SIGMA sd Quattro H SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art 。このレンズから始まった「SIGMA GLOBAL VISION」レンズも、2012年のスタートから今やその数30本を越え、シネレンズも追加されてスキのないラインナップとなった。その最初の1本「SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art 」は素晴らしい性能で話題になり、シグマというメーカーの印象を大きく変えたマイルストーン的レンズになるだろう。登場してから約7年も経つとは感慨深い。そんなことを思い出しながら、横須賀の路地をブラブラとしてきた。

駅を出て海とは反対方面に歩き出す。いつもはヴェルニー公園に出て艦船を見ながら撮り始めるのだが、紫陽花に誘われて踏切を渡ることにした。ジメッとした空気が身体にまとわりつく。

歩き始めるとすぐトンネルだ。交通量はそこそこだがトンネル内は排ガスの匂いが満ちていた。通り抜けて振り返ると壁面のレリーフにドバトが二羽止まっていた。 SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art は煤けたその様子をしっかりと捉えた。

トンネルのあとは階段で集落を越える。高台から工事真っ最中の海沿いの商業施設などを撮影してどぶ板通りに下りてきた。通りではアヤシいものを売るオジサンに捕まる。「今日はお米店の看板安くしておくよ」としきりに勧められた。いや、買ってもねえ。テーブルに並ぶ買い手がつきそうもない商品を見ながら酒場の情報を仕入れた。

どぶ板通りを一本路地裏に入ると、いたるところに在日米軍司令官からの隊員への立入禁止看板を目にする。そういえば以前、シグブラフォトウォークin 三浦の時にこの先にあるホテルに泊まったら、深夜まで結構賑やかだった記憶がある。

京浜急行の駅を過ぎ大歓楽街に出た。酒場、スナック、バー、小料理屋、パブだらけだ。実に壮観な眺めである。今日撮影終わったらここに戻ってこよう、と思った。

さらに歩を進めて海にだいぶ近づいてきた。この辺り一帯は昔懐かしい意匠の建物が散見された。いい雰囲気である。じっくりと路地を歩き回り SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art で記録する。ほどよいパースペクティブで街をキャプチャーできた。

海に向かって歩いていると小雨がぱらついてきた。猿島を臨む岸壁に出て、東京湾を行き交う船を眺める。遠くに見える雲の塩梅からすると、これからどうやら本降りになりそうである。ここには第三海堡にあった当時の宿舎が陸揚げされて展示されていた。錆びた鉄扉と風格あるレンガは Foveon 物件に他ならない。

第三海堡の遺構を撮影しているとかなりの雨が降ってきた。なかなかの雨量なので靴がビチャビチャである。冷たい。 SIGMA 35mm F1.4 DG HSM | Art で最後に三浦半島の先端を撮影しカメラをバッグにしまった。身体もすっかり冷えて横須賀に戻る気力も萎え、ブラブラとバス停を探して歩き始めることにした。


三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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