シグブラ
第155回:“梅雨の晴れ間に旧街道ブラブラ

第155回:梅雨の晴れ間に旧街道ブラブラ

June 26, 2019

梅雨のはずだが雨が降らない。もちろん撮影には好都合なのだが、夏場に水不足で困るのも問題だ。そんなことを考えつつ東京湾岸でとある打ち合わせが終わったあと、バックパックから SIGMA sd Quattro H を取り出して旧東海道を歩き始める。この界隈はブラブラとよく撮り歩く場所だ。今回は夏本番のような暑さの中、商店街や運河沿いなどをのんびりと徘徊した。いにしえの雰囲気を残す街並みには SIGMA 50mm F1.4 DG HSM | Art がピッタリである。ちょうどいい距離感と、品のあるボケ味、シャープでコントラストの高い描写がマッチするのである。しかしこの辺りもだいぶ古い建物が減ってきたように思う。どんどんとリノベーションされてかつての趣が失われつつあるように感じた。ちょっと残念である。品川から平和島を経て、蒲田に着くころにはパラパラと雨が降ってきた。乾いた街にちょうどいい湿り気だ。暑い中歩いた人間にも水分補給が必要だろうと、たまに訪れる駅前の立ち飲み屋に吸い込まれたのであった。

運河では何やらアトラクションの練習中だった。気持ちよさそうだが、もっとキレイな水のところが楽しいに違いない。 SIGMA 50mm F1.4 DG HSM | Art はしっかりと水面の表情をキャプチャーしてくれた。

マンションが運河沿いに立ちはだかる。まるで壁のようだ。太陽光を強烈に反射する「壁」は大きなレフ板のようでもある。

旧東海道近くの公園で見つけたSLを撮る。その表面はジリジリと太陽で熱せられ、触るとやけどをしそうなくらいだ。厚塗りされた塗料や歴史を感じさせるボディはまさに Foveon 物件である。

古くからあった建物がピカピカの新しいアパートになっていたりと、旧街道沿いの風景も徐々に変わりつつある。現在の光景は「今」しか撮れないのだと、 SIGMA sd Quattro H のシャッターを切る。写真は畳屋さんにあったい草。 SIGMA 50mm F1.4 DG HSM | Art のボケ感と立体感が好きだ。

畳屋さんの軒先では年代物の扇風機が回っていた。誰もいない空間に風を送り続ける。外の強烈な日射しが地面でディフューズされ、光が美しく差し込んできていた。

京急立会川駅前には坂本龍馬像が立っている。龍馬は20歳頃にこの界隈にあった土佐藩・鮫洲抱屋敷におり浜川砲台で黒船の警備に当たっていたという。その先には「涙橋」と呼ばれる浜川橋があるが、鈴ヶ森刑場で処刑される罪人を、家族がこの橋の上で涙を流して見送ったということからついた通称らしい。さらに下流に行くと浜川砲台跡に至る。

ボートレースの轟音が響く平和島を過ぎて、羽田空港を離着陸する飛行機が大きく見えるようになってくるとそろそろ蒲田である。少し前に話題になった怪獣映画の舞台を撮影しながら歩いているとパラパラと雨が降ってきた。本降りになることはなさそうであったが、暑かったしまあまあ歩いたので、たまに訪れる立ち飲み屋に吸い込まれることに。冷えた瓶ビールとシラスおろし、そして名物のウナギ串に舌鼓を打った。グラスを持ちながら外に目をやると雨は止んだ模様だ。涼しくなったのでもうちょっと夜の街をブラブラすることにしよう。


三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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