シグブラ
第140回:“小雨降る綾瀬川に沿ってブラブラ

第140回:小雨降る綾瀬川に沿ってブラブラ

November 7, 2018

シグマの黒川本社を訪れる際に利用する小田急線。その車内で何気なく路線図を見ていると、相互に乗り入れている東京メトロ千代田線で、ちょっと面白い駅があるのを知った。「北綾瀬駅」である。元は綾瀬駅から車両基地への引込線だったのだが、周辺の発展とともに駅が作られたという経緯があるらしい。ひと駅だけピョコンと飛び出ていて気になったので、SIGMA sd Quattro H に明るい標準ズームレンズ「SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art」を装着して、周辺をブラブラしに行くことにした。
綾瀬駅から北綾瀬駅に向かう。千代田線を下り、0番線ホームに停まっているワンマン車両に乗り換えだ。ガランと閑散としているイメージだったが、カメラを持った鉄道ファンが大勢集結してごった返している。どうやら引退する車両目当てのようである。そんな彼らを観察しているとあっという間に終着駅・北綾瀬駅に到着だ。ホームも跨線橋もカメラを持った人たちで鈴なり状態!もの凄いのでそそくさとその場を離れて歩き始めた。幹線道路を越えると首都高速の加平インターチェンジがあった。地上から歩いて見てみると、ふだんクルマで通行している印象とだいぶ違う。その構造を鑑賞しながら綾瀬川に沿って南下することに。「綾瀬川」と言うと一級河川水質ランキングワースト1位というイメージがあるが、鵜やサギがいるところを見ると魚はいそうである。そんなことを考えながらブラブラと歩いていると、東京拘置所が見えてくる辺りで小雨が降り出してきた。レンズ前玉に水滴が付かないように撮り歩く。差入店の前を通って荒川に到達する頃には雨も上がり、河川敷で少年サッカーを観戦。向こうには東京スカイツリーがそびえている。ときおり土手の上は冷たい風が吹きつけた。そういえば今年も早いものでもう11月だな、と思った。もう冬ですね。

千代田線・綾瀬駅の0番線ホーム。ここから北綾瀬駅行きのワンマン車両が発着する。そのうち直通電車が運行され、このホームがなくなってしまうという話もあるようだ。この日は熱心な鉄道ファンで賑わっていた。

加平インターチェンジ。曲線と直線、金属の質感。見ていると構造も面白い。これも Foveon 物件である。

自分がクルマの免許を取った時代には、首都高速の通行料は500円だったように記憶している。もちろん当時は ETC もないので距離別料金体制でなく均一料金だった。料金所で受け取った領収証の記憶が蘇る。

この界隈の綾瀬川はどんよりとしていて重たそうである。水が海方面からわずかに逆流してきていた。鵜がいるところを見ると、獲物となる魚が生息しているようだ。

正面に見える大きな建物は東京拘置所とその官舎だ。この辺りで小雨が降り出してきた。気温がグンと下がり、肌寒くなってきた。

受刑者に差し入れるものを売っている「差入店」前を通り過ぎて荒川に出た。グラウンドでは少年たちがサッカーに興じている。正面には東京スカイツリー。雨は上がったが風は冷たいままだ。北綾瀬起点のブラブラもそろそろ終わりにして、小菅駅から帰るとしよう。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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