写真家・三井”サスラウ”公一が綴るフォトダイアリー シグブラ | 第122回:川沿いの団地周辺ブラブラ | 株式会社シグマ
シグブラ
第122回:川沿いの団地周辺ブラブラ

第122回:川沿いの団地周辺ブラブラ

February 15, 2018

行き先を決めず駅に向かう。iPhone を改札にかざして構内に入る。歩きながら電光掲示板を見ると、下り方面の電車がやってくることが確認できた。「よし、郊外に行こう」と、階段を降りてちょうどホームにやってきたそれに乗り込む。徐々に春めいてきた景色を車窓から眺めつつ、今まで下車したことがない駅を思い浮かべた。支線を含めてほとんどの駅を歩き尽くした路線だったが、やはりブラブラ撮り歩いていない駅がいくつかあるものだ。その中で名前が気になった駅をチョイス。SIGMA sd Quattro H を肩に提げ、初めての駅を背に歩き出した。
幹線道路を渡り、監視カメラが稼働する雑木林を抜けると、大きな団地に出た。川を挟んでいくつもの棟が立ち並ぶ光景はなかなかダイナミックだ。建物を見るとかなりの年数が経過しているようだ。年季の入った郵便受けやひび割れたスロープなど、どれもが Foveon 物件に感じた。しかし地震対策やリノベーションが進められているようで、古い団地にありがちな暗い印象はあまり受けなかった。
団地内を歩くと多くの国の人たちが住んでいることがわかる。日本語だけでなく、いくつかの言語で書かれた看板や案内が建てられているのだ。団地内の公園で遊ぶ子どもたちや、近隣にある多国籍な料理店を見てもそれを感じられた。このような大規模な住宅に暮らしたことがないので、もしこの片隅に自分が住んだらどんな感じなのだろうか、と思う。
意図せずに訪れたエリアだったが、この周囲には歴史ある寺社などもあり、カメラを手にのんびりとブラブラするには面白いところであった。たまにはこんなブラブラ撮影もいいものである。

川を挟んで建物が林立している。一体どれくらいの人たちがここで暮らしているのだろうか。

6つの言葉で「バイク進入禁止」と書かれている。掲示板に貼られていた行事の案内も同様であった。

建物は古いままのものもあれば、改修が入っているものもあった。これだけ多くの人が暮らしているのだから、リノベーションもなかなか大変なことだろう。

団地の周辺は畑や雑木林、そして立派な寺社があった。川を見下ろす小高い丘に登ると、丹沢と富士山が見えた。

ブラブラと歩いていると懐かしいクルマを発見。とても美しいボディで、大切にメンテナンスされていることがわかる。エンジン音がどんな感じか聞いてみたかった。

春が近づき日が延びてきた。光もグンと明るくなってきたように感じる。団地の部屋に窓から差し込む日射しも暖かいに違いない。

団地の谷間にある公園は早くに日陰になるのでとても寒い。それでも子どもたちが元気に遊んでいた。遊具になっている古タイヤのディテールを SIGMA 24-70mm F2.8 DG OS HSM | Art で写しとる。優秀な手ブレ補正機能があるのでもっと暗くなっても安心だ。

この時期の夕暮れは美しい。やや暖かみがある春の光と、澄んだ冬の空気の名残が入り交じるからだ。今だけの貴重なカラーである。

残照を見ながら駅へ向かう。幹線道路に出るところで振り返ると、自分の影が長く団地に向かって伸びていた。Apple Watch を確認するとそろそろ日没時間のようだ。ブラブラする時間が日増しに伸びていくのは嬉しいものである。


三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

シグブラフォトウォーク

シグブラフォトウォーク

シグブラフォトウォーク

シグブラフォトウォーク

シグブラフォトウォーク
Page Top