シグブラ
第118回:nismoフェスティバルをブラブラ

第118回:nismoフェスティバルをブラブラ

December 6, 2017

モータースポーツ界オフシーズン恒例のファン感謝祭が開催される季節になった。年末は激闘の一年を振り返って、レーシングコースを走ったマシンやドライバー、そしてレースクイーンたちがファンと交流するイベントがサーキットで開かれるのだ。その中で日産自動車のワークスチーム「NISMO」が主催するニスモフェスティバルに招待されたので、SIGMA sd Quattro H を持ってブラブラと見学に行ってきた。久しぶりの富士スピードウェイである。パドックに着くと迫力あるエキゾーストノートが聞こえてきた。実にいい音!ブラブラとピットの作業やデモ走行を見守り、一緒にルマン24時間レースに行ったマシンと再会したり、歴史的遺構とも言える30度バンクを歩いたりと、モータースポーツの素晴らしさと、日産ファンの「熱さ」を体感した冬の一日であった。来年は久しぶりにレースを観戦したいものである。

ピット内でジャッキアップされたマシン。普段は立ち入ることができないこの場所は大人気で多くの観客が詰めかけていた。年間通して闘ったマシンはピカピカに磨き上げられていた。その姿を SIGMA 50-100mm F1.8 DC HSM | Art で切り取る。レーシングマシンも紛れもなく Foveon 物件である。

思えばこの富士スピードウェイにはよく通ったものだ。1980年代のWEC IN JAPAN からグループCカーを撮り始め、グラチャン、フォーミュラカーとジャンルを拡げた。当時のここはグランドスタンドもパドックもピットも寂しいもので、今のキレイさは夢のようだ。

富士スピードウェイは雨が多いことで知られるが、昔コース外周はザクザクの砂礫で、降雨量が多くなると歩きにくく移動に苦慮した記憶がある。円形だったメインストレート下を通るトンネルも、大雨時には水が大量に流れ込んできた。今はピットレーンも広く隔世の感がある。昔活躍したハコスカの後を「Z」が通り過ぎて行った。

そういえばフェアレディZも思い出がある。系譜が途絶えていた「Zカー」だが、ロサンゼルスで「S30」型をレストアして販売しているショップがあってそれを撮影に行ったのだ。美しく仕上げられていた「S30」と当時の現行車「Z32」の2台でフリーウェイを走り、ラスベガス手前の砂漠地帯で撮影した。カリフォルニアの夕陽にとてもマッチしていたのを覚えている。

旧車の中でも日産のクルマは比較的コンディションがよく、しかも多くの台数を見ることができる。昔からの根強いファンがたくさんいる証拠だろう。パドックでは往年の名車がズラリと並んでいたし、ここに来るまでの東名高速道路上でも、その愛すべきクルマを数多く目撃した。それだけ魅力的なのだ。

デモ走行や模擬レースをホスピタリティーブースから観戦し、グランドスタンド裏にやってきた。そこには20年前、一緒にルマン24時間レースを闘った「NISSAN R390 GT1」が展示されていた。このクルマとはポルトガルのエストリルサーキットにシェイクダウンテストに行ったり、ルマンでの予備予選、そして24時間レースの本戦と長い時間を過ごした。まだ黎明期のデジタル一眼レフで苦労しながら撮影した思い出がある。コックピット上の車検ステッカーが歳月を物語っていた。

しかしながらメカニックたちによってピカピカに磨かれたボディは艶やかで美しかった。久しぶりの再会を喜びつつ「NISSAN R390 GT1」のエアインテークに貼られた、20年前に刷新された「nismo」ロゴにピントを合わせて SIGMA sd Quattro H のシャッターを切った。

グランドスタンドから第1コーナー方面に向かう。その先に昔使われていたコースの遺構が存在するのだ。その「30度バンク」はレース好きなら一度は聞いたことがあるだろう。最大30度のカントがついているのだが、下から見上げると壁のようである。ここをレーシングカーが走っていたのだ。現在はメモリアルとして開放されており誰でも入ることができるが、「急斜面で危険なためのぼらないで下さい」という看板が立てられている。

nismoフェスティバルは、全マシンと全ドライバーがグランドスタンド前コースに集結し、来年の抱負を語って幕を閉じた。好成績を祈念しつつ、来年はレースをシグマの望遠レンズ群で撮影したいなあと思った。富士スピードウェイは交通の便もいいし、周囲に富士山や箱根など撮影スポットもたくさんある。またシグマがレンズ貸出を行うレースもあるのでぜひブラブラしに来ていただきたい。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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