シグブラ
第113回:久しぶりに鶴見線沿線ブラブラ

第113回:久しぶりに鶴見線沿線ブラブラ

September 27, 2017

写真仲間と久しぶりに鶴見線沿線を歩いた。鶴見線は京浜工業地帯を走るローカル線と言ってもいい。都心部を走る路線としては無人駅が多く、時間が昭和で止まったかのような懐かしい風景が周囲に拡がっているのが特長だ。そんな雰囲気に魅せられた仲間が「案内をしてほしい」というのでSIGMA sd Quattro Hを手に列車に揺られてきた。以前足繁く撮影に通ったのでフォトジェニックなスポットをガイドできるのである。その頃の乗客は仕事で工場に通う人々がほとんどであったが、今は若い人たちがグッと増えていた。彼らの目的地は国道駅と海芝浦駅。どちらの駅も特長が際立っていて絵になるので「インスタ映え」するからだ。自撮り棒にiPhoneをつけてセルフィーしたり、デジカメで撮影したりと海芝浦駅は特に賑わってた。そんな若者を横目にこちらはFoveon物件探しである。というか辺り一帯がそれなので撮るのに忙しい。国道駅では高架下、浅野駅では錆びたレールを、海芝浦駅では観光客、扇町駅では工場と撮影を楽しんだ。鶴見線は本数が少ないのでタイミングを逃すと移動が大変だが、ブラブラ撮影にはもってこいの場所だと再確認できた一日であった。

昼間でも薄暗い国道駅の高架下。トンネル状になっていて独特の雰囲気だ。国道側には第二次大戦中に受けた機銃掃射の跡が残っているが、年々鉄板で覆われ見るのが難しくなっている。明るいSIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Artなら撮影も楽勝だ。

朽ちかけた不動産屋の上には、外から飛び込んできたと思われる銃弾のあとが。ユニークな看板や佇まいとともに国道駅の歴史を物語っている。斜め向かいの焼き鳥屋は現役で営業している。

高架に沿って鶴見川に出ると下流側に貝殻浜(貝浜)と呼ばれるエリアがある。付近の漁師が貝を剥いて捨てた貝殻が白い浜辺を形成しているのだ。少し前に護岸整備されたが、親水公園として一部が残されたようだ。歩くと貝の硬質な感触とパリパリという音が足を通して伝わってくる。

昔々、この近くで釣りをして家に帰ったところ、「鶴見川でコレラ菌発見!」というテレビのニュースを見て驚いたことを思い出した。今、その川面では鵜がのんびりと毛繕いをしている。”ライト・バズーカ” SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary でその様子を撮影。このレンズ、超望遠ズームなのに軽いのがいい。描写もなかなかだ。

浅野駅は鶴見線が二手に分かれるところで、かなりフォトジェニックだ。リベットだらけの橋脚や錆びたレール。草ボーボーの線路脇、ちょっとレトロな屋根など雰囲気満点である。ここでもライト・バズーカが大活躍した。隣の駅から向かってくる列車を、まるで夏のような空気感とともに写し止めた。

海芝浦駅は海のすぐ脇にホームがあるので大人気。到着した列車のドアが開くと、海と鶴見つばさ橋が目に飛び込んでくる。それが「インスタ映え」するので最近はカメラを提げた若い人たちで賑わっているようだ。ただこの駅は東芝の敷地内にあるので、関係者以外は駅と隣接する小さな公園にしか立ち入ることができない。また社屋方向の撮影も禁じられているので注意が必要だ。いい時間に来れば素晴らしい光景がホームから見られるのがこの海芝浦駅である。

鶴見線の最深部・扇町駅もいい雰囲気である。いかにも終着点、といった駅の感じもいいし、周辺の工場やコンビナートも京浜工業地帯のイメージそのものだからだ。写真仲間と付近をグルッと撮り歩く。タンクやパイプなどFoveon物件が目白押しで、SIGMA sd Quattro Hはフル稼働である。休日だったが大型トラックの往来が多い。もし訪ねることがあるならば十分注意してブラブラしてほしい。


三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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