シグブラ
第98回:単焦点レンズで再び伊豆をブラブラ

単焦点レンズで再び伊豆をブラブラ

February 15, 2017

SIGMA sd Quattro Hを持って家を出る。自然に足は暖かい伊豆方面へ再び向かう。小田急ロマンスカーに乗って小田原に出てからJR線に乗り換えだ。再び熱海で乗り換えてしばらく走ると、車窓いっぱいに海が拡がった。気温も上昇してポカポカと一足早い春の気分である。

観光客で賑わう、とある駅前からブラブラと歩き出す。やや風があるものの、東京の寒さとは比べものにならないくらいだ。橋の欄干に留まったユリカモメがジッとモデルを務めてくれたので、SIGMA 20mm F1.4 DG HSM | Artで撮影する。20ミリでグッと寄っても逃げないコイツは相当肝が据わっている。羽毛の描写と空の色が堪らない。

伊豆の海は本当に暖かだ。水もきれいだし冬にブラリと都心から足を延ばすのにはサイコーである。その海越しに雪を被った丹沢山地を遠望するが、なかなか見慣れないアングルなので山座同定するのに時間がかかった。もっともiPhoneアプリでやってしまえば一瞬なのだが。波間に自衛艦の姿を確認する。

海といえば漁港。漁港といえばネコだが、ここのネコもユリカモメ同様肝が据わっていた。寝ている彼らに近づいてもまず起きない。SIGMA sd Quattro Hのシャッターを切っても起きない。揺り起こしてようやく目を澄ますという有様だ。それでも「昼寝の邪魔するなよ!」とすぐ寝入ってしまうのであった。

やんわりとした正月の伊豆と違って、ややシャッキリとした空気が漂っている港だが、表通りから一本裏に入るとまだまだのんびりとした雰囲気が感じられた。SIGMA sd Quattro Hを肩から提げ、ブラブラと暖かい街を歩く。

今回は単焦点レンズのSIGMA 20mm F1.4 DG HSM | ArtとSIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Artの2本態勢だが、コレがなかなか具合がいい。1.3倍される焦点距離が自分の感覚とマッチしているのだろうか。もちろん2本とも開放からシャープでコントラストの高い、素晴らしい描写を見せてくれるという理由も大きい。

特にSIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Artは最新の開放F1.4レンズだけあって写りがスゴい。あらゆる面でライバルたちに差を付けていると感じる。先日も雑誌の撮影で使用したが編集者がその写りに舌を巻いたほどである。

SIGMA sd Quattro H にSIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Artを装着するとなかなかのボリューム感だ。特にパワーグリップPG-41をつけるとさらにマッチョになるが、バッテリーをボディ本体と合計3本収納できるのに加え、縦位置撮影時でも操作性が向上するし、シャッターを切りやすくなるので気に入っている。絞り開放でのシビアな立ち位置でも安定して撮影できるのだ。

さてそろそろ「Foveon物件」を探す時間だ。最近はその日撮り歩いたエリアで、一番Foveonの特長が出る被写体を探すことにしているのだ。長い歴史と特長的な造りの旅館が素晴らしかったが、昭和臭い歓楽街方面に足を延ばすことにした。

するといきなり発見!夜には賑わうであろう猥雑な路地に入る手前に、すでに営業をやめて久しいとも思われる美容院のサインが佇んでいた。色といいフォントといい素材といい文言も申し分ないFoveon物件である。SIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Artでクッキリとシャープに記録することができた。

この周囲にはまだまだFoveon物件が存在していそうな気配が漂っている。珍しく豪勢に(笑)刺身定食を食べたあと、「日帰り入浴」の誘惑を断ち切り、路地という路地をブラブラと徘徊し、SIGMA sd Quattro H とSIGMA 85mm F1.4 DG HSM | Artで撮影を続けた。しかしまだまだ調査が足りない感じなので、近いうちに泊まりでブラブラしに来ようと誓って、伊豆の街をあとにした。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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