シグブラ
第39回:曇天の直江津ブラブラ

曇天の直江津ブラブラ

August 27, 2014

老舗カメラショップ「フジヤカメラ店」で開催されていた「シグブラ写真展」の会場を出て急いで中野駅に向かう。写真展会期中だったが、この連載の撮影に再び青春18きっぷのブラブラ旅に出るためだ。ホームに停まっていた列車に乗って立川まで行き、そこから松本行きの各駅停車に乗り換える。今回は山をブラブラしよう、という考えだ。

翌朝、松本の宿で目を覚ますともの凄い豪雨であった。コーヒーをすすりながらiPhoneで天気概況を確認するが、どうも雨は止みそうもない。しかたなく松本を離れて長野まで鈍行で移動することにした。が、到着した長野も雨!松本より小降りであったがちょっと撮影には厳しい状況だ。再びリアルタイム降雨情報を見てみると、日本海まで出れば雨は降っていない模様。そこで今度は直江津行きの列車に飛び乗り、終点の直江津駅に降り立った。またまた海に来てしまった。

昔クルマで通り過ぎた曇天の街をブラブラと歩く。人影はそれほど多くないがどことなく活気を感じる。終着駅かつ佐渡への船が出ているせいであろうか。

駅前はアーケードのような「雁木造り」の商店街が続く。雲間からときおり日が差すが、雁木が太陽を遮ってくれるので快適に歩を進める。

日本海が近いせいか直江津の街はヒンヤリとした風が吹いていた。8月の中旬だが涼しいくらいの気温である。ヒョコヒョコと路地をのぞいては SIGMA dp2 Quattro のシャッターを切る。気持ちがいい気温のせいか、犬も雁木の下で昼寝中だった。

海に近づくと坂が増えてきた。この辺りは昔砂丘だったようで、地形を活かした街造りになっている。この二段坂周辺は起伏に富んでいて歩いていても面白い。

坂の頂点から少し北に歩くと日本海に出た。今回は海に行くまい、と思っていたのだが天候のせいで海に来てしまった。仕方がない。曇り空のせいか、ちょっと寒々しく感じる海水浴場で子どもたちが波と戯れていた。

海を後にして三・八通りという道を歩く。毎月3と8がつく日に朝市を開催する通りだそうだ。この日はどちらでもなかったが、花市が開催されていて切り花を買い求める人で多少賑わっていた。

直江津といえば林芙美子の「放浪記」だが、駅前や関川に架かる橋のたもとに記念碑が建てられている。彼女が食べた「継続だんご」を食べなければ、と思っていたのだが、どうやらそろそろ列車の時刻のようだ。残念だが融雪パイプが埋め込まれている通りを駅へと急ぐ。再びここをブラブラしたいな、と考えながら直江津駅の改札を通り過ぎたのであった。


三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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