それぞれの国に、それぞれの様式美とされるものがあり、風習と呼ばれるものがあります。言うまでもなく、それらは自分たちの心に根付いた共通のルーツであり、それに触れると心がよろこぶのを感じます。このページではフィールドテスト中に出会った「心がよろこぶ光景」を並べてみたいと思います。

どの国でも生活の場に花を飾りますが、日本では「生ける」という表現のとおり、一度は切った花に、あらためて生を与えるという思想が感じられます。「生け花は引き算の美学」と言われますが、それは日本人特有の構成美でしょう。dp0はかなり寄っての撮影が可能なため、超広角でも画面構成が容易です。

「ディストーション・ゼロ」というコンセプトは、線を真っ直ぐに写し込むことだけではなく、超広角でありながら自然な描写を得るためでもあります。超広角で狙うような被写体以外でも、汎用性高く扱うことができます。

dp0 Quattroを抱えて、車で片道約1200kmの撮影旅行。この1台だけで全ての撮影を行いました。超望遠でなければどうにもならないシーンを除き、ほとんどのシーンで、なんらかのアプローチで撮影ができるものだなと感じた旅でした。21mmが持つ独特の世界を心行くまで堪能しつつも、レンズやボディの根本的な性能を磨き上げることで、カメラに求められる記録装置としての有用性を高められることも確認できたフィールドテストでした。次回の更新は、21mmを手にすれば追いかけたくなる、ストラクチャー(構造)をテーマとした記事をお届けします。どうぞお楽しみに。