第73回:冬本番迫るヨセミテ渓谷へ(後編)
押本 龍一

押本龍一、東京品川生まれ。
82年英語の勉強のため2年の予定で渡米。84年ニューヨークに渡り刺激を受け予定を変更、広告写真スタジオで働き始める。91年フォトグラファーとして独立。95年ニューヨークからロサンゼルスに拠点を移し現在に至る。エンターテインメント関係の撮影中心。近年はライフワークである旅写真に力を入れている。趣味は旅と山歩き。

オフィシャルサイト : http://oshimoto.net/

第73回:冬本番迫るヨセミテ渓谷へ(後編)

12月も中旬に差し掛かった日の夕方、陽の光が届かなくなった暗い渓谷の底から、展望地トンネル・ビュー(Tunnel View)に上がってくると、渓谷を囲む岩や山を照らす光もほとんど失いかけていた。急いでカメラを三脚に据え、構図を決め、数分おきにシャッターを押し、刻々と変化する光景をセンサーに焼き付けた。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + 35mm F1.4 DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/60秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:35 mm

前夜、ヨセミテ渓谷から南西約60kmに位置するマリポサという集落に宿泊した。翌朝、物音ひとつしない小さなモーテルを出てガソリンスタンドで給油をし、そこでコーヒーをテイクアウトし、標高600mの集落から標高1,200mのヨセミテ渓谷に向かう真っ暗な州道140を北東へ走り出した。車のヘッドライトが照らしだす道以外に周囲の景色は何も見えない暗闇の中、薄いコーヒーを口に含みながら車を走らせると渓谷がはるか遠くに感じられる。道の上り坂が急になりいよいよ渓谷に近づくと、前日、カメラに収めた渓谷の様々な景色が蘇ってくる。なかでも黄昏時に薄いピンク色に染まった東の空がマーセド川に写り込み、霧が立ち込めていたバレー・ビュー からの幻想的な景色が鮮明に脳裏に焼き付いていた。私は渓谷内に到着すると迷わずバレー・ビューに直行した。

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夜が明けはじめたバレー・ビュー。人の姿はなく、かなり冷え込んでいた。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:0.6秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:8 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:7.19 MB

夜が明けはじめたバレー・ビューからの渓谷の景色も美しかったが、渓谷の底より高い位置からの朝の眺めも気になりはじめ、トンネル・ビューまで上がった。公園内で最もポピュラーな展望地のひとつに来ると車は一台も停まっていない。この朝、私が一番乗りだった。日の出の時刻は過ぎていたが、左手にそびえ立つ絶壁エル・キャピタンの頭と、渓谷の向こうに雪を被った山にわずかに朝日があたっているだけで、陽の光で渓谷が明るくなるまでかなりの時間がかかりそうだった。写真を背景にしたトンネル・ビューを説明する案内版に、「変化に富む眺め」、「ヨセミテでは同じ光景を再び目にすることはないかもしれない」と書かれている。私は寒くてよく動かない手でカメラを三脚に据え、再び目にすることはないかもしれない朝の光景を数分ごとに記録した。

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2012年12月11日午前7時37分、トンネル・ビューからの眺め。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + 35mm F1.4 DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/30秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:35 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:5.05 MB

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2012年12月11日午前7時55分、トンネル・ビューからの眺め。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + 35mm F1.4 DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/30秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:35 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:5.58 MB

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2012年12月11日午前8時11分、トンネル・ビューからの眺め。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + 35mm F1.4 DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/50秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:35 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:6.39 MB

トンネルビューの冷え込みは渓谷の底よりさらに厳しく感じられ、じっと立ってはいられず寒さに負けまいと周囲を動き回りながら40分ほど「変化に富む眺め」を記録したが、渓谷の眺めに大きな変化が見られるまでかなりの時間がかかると判断し、マセード川北岸のバレー・ビューに再び戻り、ポハーノ橋(Pohono Bridge)を渡りマセード川南岸に移動した。 数億年前、北アメリカ大陸の西の海底は階層状の沈殿物に覆われていた。その後、マグマが多層の沈殿物から成る海底を押し上げ、山を形成し火山から流れ出した。そして、隆起と侵食は大部分の堆積層を取り除き、冷えたマグマ(花崗岩)が残された。数千万年前、ヨセミテ周辺は丘陵と谷が覆い浅い谷に川が流れていた。その後シエラネバダ山脈が隆起し川の流れが急になり、谷をV字に深く浸食した。約200万年前、氷河時代が生じ、渓谷を覆う氷河の厚さは最大で1,200mに達した。シエラネバダ山脈から氷河がヨセミテ渓谷へ流れ込みU字谷がつくられた。約2万年前、氷河はヨセミテ・バレーから溶けだした。約1万年前、氷河は溶けて渓谷を覆うヨセミテ湖が誕生したが、最終的には沈殿物がヨセミテ湖を覆い現在の草原や森林になった。

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1時間後のバレー・ビュー。朝日があたる絶壁エル・キャピタンがマーセド川に写り込んでいた。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/4秒 | 絞り値:F16.0 | 焦点距離:26 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:10.68 MB

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まだ陽の光が届かないヨセミテ渓谷を流れるマセード川南岸を歩く。渓谷の東から流れてくるマセード川は曲がりくねり、この場所からは北岸にあるエル・キャピタンの方から流れてくるように見える。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + 8-16mm F4.5-5.6 DC HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/80秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:8 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:5.16 MB

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霜が降りた枯れた草にフォーカスし、遅いシャッタースピードで、渓谷を侵食し続けているマーセド川の流れを強調。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/6秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:119 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:3136 x 4704 | ファイルサイズ:15.73 MB

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マーセド川南岸沿いのサウスサイド・ドライブを東へ走ると、前日にもヨセミテ滝に出ていた虹が、この日は滝つぼから昇るように見えた。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/800秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:157 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:17.62 MB

まだ陽の光が届かない渓谷を東へ走り、渓谷東端の駐車場に到着する。いくつかのトレールを歩く人が停める大きな空き地のような土の駐車場には6台の車がそれぞれに離れて停まり、この日トレールを歩く人はとても少ないように思う。ヨセミテ渓谷の東端からは、東に続く渓谷でマセード川が流れるリトル・ヨセミテ・バレー方面に向かう人と、ヨセミテ渓谷から北東に続く渓谷で、マセード川に流れ込んでいるテナヤ川(Tenaya Creek)が流れるテナヤ渓谷(Tenaya Canyon)に向う人に大抵は分かれるようだが、私は北東のテナヤ渓谷に向った。キャンプ場の間を歩いて行きマセード川を渡り良く舗装された道から逸れ、落ち葉が敷き詰められた森のトレールに入る。氷河によって半分が削り取られ、渓谷の底からの高さは約1,500mの北西側が切りたったハーフ・ドームの影になったテナヤ川南岸は、うっそうとした森が続いていた。誰にも会わない大きな石と苔に覆われたトレールで、「熊が出るので、可能なら車中のフードを駐車場に設置されているストレージ保管箱に移すように」と書かれた駐車場で見かけたサインを思い出し、熊と遭遇しないことを祈りながら歩いて行くと、ミラー・レイクと呼ばれるテナヤ川の川幅が広くなり川の流れもほとんどない部分にたどり着いた。

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苔が木を覆い、大きな石が転がるテナヤ川南岸。川の北岸には陽の光が届き始めていた。

使用機材:SIGMA DP2 Merrill | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:オート | シャッター速度:0.3秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:30 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:15.70 MB

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湖面か川面と呼ぶべきか。水面にクリアーに写り込んでいた美しい景色に気を取られ、川岸に小さく見えるミュールジカ(Mule deer)の存在は、撮影した写真を見て気がついた。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/80秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:38 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:3136 x 4704 | ファイルサイズ:13.14 MB

ミラー・レイクの周辺、テナヤ川の川岸には広い砂地が広がっていた。川の水量が多い時期には川になる部分が、この時期は広い砂地なっているようだった。川に差し込む陽の光が川の南岸にようやく届き始め、光が差す範囲は見る見るうちに広がると、朝の冷え込みから開放され、この日はじめて手袋をはずしポケットにしまい込む。ミラー・レイクから引き返す帰り道は、テナヤ川にも陽の光が届き気持ちのいいハイキングを楽しんだ。

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ハーフ・ドームと呼んでいいのだろうか。昼過ぎ、頂上から南西の渓谷の底に近い部分の岩山から太陽が顔を出し、岩壁に生息する木々が太陽の中に吸い込まれたように見えた。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + APO 70-200mm F2.8 EX DG OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/2000秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:137 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:4.28 MB

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水の多い季節は川の一部かもしれない砂の川岸に陽の光が届き、1組のカップルに出会い挨拶を交わす。

使用機材:SIGMA DP2 Merrill | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:モノクロ | シャッター速度:1/250秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:30 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:12.84 MB

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午後になり、陽の光が届いた透き通るようなテナヤ川。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/25秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:43 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:17.45 MB

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木が倒れかけて石にめり込んでいたが、木はまだ枯れてはいないようだった。陽の光が木々の間からスポットライトのように差し込み、行きには見過ごした光景にレンズを向ける。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:35 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:3136 x 4704 | ファイルサイズ:14.59 MB

テナヤ渓谷からはヨセミテ渓谷に戻り、3段からなるヨセミテ滝(Yosemite Falls)の下段の滝までのポピュラーなループ・トレールを歩いた。

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ヨセミテ渓谷東端の南側は一日中陽の光が届かず、霜の降りた木道は薄い雪にカバーされているように見え、陽のあたらない場所は冷凍庫のようだった。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + 35mm F1.4 DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/30秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:35 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:16.45 MB

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ヨセミテ渓谷東端の陽が差さない場所から、南に面した絶壁ロイヤル・アーチーズ(Royal Arches)とその向こうの上に見える標高2,299mのノース・ドーム(North Dome)を見上げる。この日ロック・クライマーの姿はなかった。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + 35mm F1.4 DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/200秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:35 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:9.58 MB

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ヨセミテ滝までのトレール・ヘッドで、午後の光を浴びのんびりと餌をさがしていた人を恐れないミュールジカにレンズを向ける。

使用機材:SIGMA DP2 Merrill | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/250秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:30 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:3136 x 4704 | ファイルサイズ:21.23 MB

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行きのトレールから見た上段の滝に陽に光があたっていたが、帰りは光を失った。

使用機材:SIGMA DP2 Merrill | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/200秒 | 絞り値:F8.0 | 焦点距離:30 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:13.78 MB

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落差98mの下段の滝。水量が少ない季節だが、流れ落ちる滝は迫力十分だった。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + 35mm F1.4 DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:200 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/30秒 | 絞り値:F5.6 | 焦点距離:35 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:3136 x 4704 | ファイルサイズ:13.27 MB

午後3時半になるとヨセミテ渓谷に陽の光は届かなくなり、じわじわと寒さが増してきた。この日の朝、トンネル・ビューから刻々と変化する渓谷の光景を記録した私は、同じ日の夕方の光景も記録しておきたいと思った。 午後の4時ごろトンネル・ビューに上って来ると、渓谷の先に見える雪を被った標高3,025mの山クラウズ・レスト(Clouds Rest)、その右手前の半球を縦に割ったように見える標高2,682mのハーフ・ドーム(Half Dome)、さらに手前の標高2,145mのセンチネル・ロック(Sentinel Rock)、左手前にそびえ立つ標高2,307mの絶壁エル・キャピタン(El Capitan)が、西に沈んでゆく陽の光に染まっていた。私は朝撮影したほぼ同じ位置に三脚を構え、再び目にすることはないかもしれない夕方の光景を数分ごとに記録した。

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2012年12月11日午後4時4分、トンネル・ビューからの眺め。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + 35mm F1.4 DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/80秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:35 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:7.21 MB

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2012年12月11日午後4時10分、トンネル・ビューからの眺め。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + 35mm F1.4 DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/50秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:35 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:6.06 MB

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2012年12月11日午後4時16分、トンネル・ビューからの眺め。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + 35mm F1.4 DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/20秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:35 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:5.55 MB

エル・キャピタンを照らすわずかな陽も失いヨセミテ渓谷は暗くなり撮影はここで止めようと思ったが、空にまだ明るさが残っていたので、冷え込んできたトンネル・ビューにしばらく立っていると、渓谷の東の空に浮かぶ雲が夕陽に染まった。この日の夕方、刻々と変化した眺めは、緻密に計画された壮大なショーのように感じられた。

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2012年12月11日午後4時32分、トンネル・ビューからの眺め。

使用機材:SIGMA SD1 Merrill + 35mm F1.4 DG HSM | 露出モード:M-マニュアル露出 | ISO感度:100 | ホワイトバランス:晴れ | シャッター速度:1/15秒 | 絞り値:F11.0 | 焦点距離:35 mm
ファイル形式:JPEG | 画像サイズ:4704 x 3136 | ファイルサイズ:5.95 MB

遠い昔、ヨセミテ渓谷をU字谷にした氷河は、シエラネバダ山脈の高い部分から流れ込んできた。暗くなった渓谷を眺めていると、氷河が流れてきた山脈の高い部分に登ってみたくなった。

※ このページに掲載された作品は、RAWデータ(X3F)を「SIGMA Photo Pro」で現像処理をしたものです。
一部、現像後にゴミ取りのためにレタッチソフトウェアを使用した画像もございます。

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