2012.02.08

お知らせ

カメラ

SD1 Merrillの発売について

平素より弊社製品をご愛用いただき誠にありがとうございます。

さて、本日、当社は新デジタル一眼レフカメラSIGMA SD1 Merrillの製品発表をさせていただきました。本製品は、現行製品であるSIGMA SD1の機能、性能、仕様はそのままに、価格のみを大幅に改訂したものです。2012年3月の発売を目指して準備を進めておりますが、実勢価格は20万円程度となる見込みです。

現行製品のSIGMA SD1は、デジタル一眼レフカメラとして最高解像度を誇る4,600万画素*のセンサーを採用した画期的な製品でした。世界で唯一、全画素でRGBの3原色を取り込むことのできるフルカラーセンサー、Foveon X3ダイレクトイメージセンサーによるSD1の画質は、単に解像度が上がったにとどまらず、それによって、かつてないほど豊かな階調表現を可能にするとともに、Foveonセンサー特有の力強い、立体感のある印象を深めることに成功しました。

*カラーフィルターアレイセンサーでは3,000万画素相当の解像度

しかしながら、この画期的なイメージセンサーも、量産開始までに一部製造上の課題を解決することができなかったため、当初目論んでいた製造コストを大幅に上回ってしまいました。結果としてSIGMA SD1の価格を高額に設定せざるを得なかったのもこうした理由によるものです。このことで、SIGMA SD1の個性あふれる画質をご自身で体験したいと希望し、その登場を心待ちにしてくださったみなさまを落胆させてしまったことは、当社にとっても大きな失望であり、痛みとなりました。

その後、当社およびFoveon社はこの克服を第一の命題として、ともに製造コストの大幅削減を目指して改善を重ねてまいりました。一年近い年月をかけての取り組みとなりましたが、最終的に、当初の目論見に近いところまで削減目標を達成する目途が立ちました。そのため、SIGMA SD1を新たな製品として発売することを決定し、今般の発表にこぎつけることができました。

SIGMA SD1 Merrillは、唯一無二の個性をもつSIGMA SD1の最高画質はそのままに、価格だけを大幅に改訂しております。製造方法の一部を見直してはいるものの、センサー自体の性能や特性は一切変わっておりません。これまでの画質観を一新する「高画質」とともに、撮影者に内在するアーティスティックな感性を覚醒させる新時代のデジタル一眼レフカメラとして、このSIGMA SD1 Merrillを実際に体験いただけるなら、これにまさる喜びはありません。

一方で、すでに現行のSIGMA SD1をお買い上げいただいたお客さまには、大きな期待と決断をもってお求めくださったカメラとまったく同じ仕様の製品が、1年後に大幅な価格改訂のもとで発売されることについて、いかなる理由があろうともご納得いただけるものではないという点についても、重々承知しております。

何よりも、万難排してSIGMA SD1をお買い上げくださったお客さまは、とりわけ当社にとって特別な存在であると認識してまいりました。ですから、そうしたお客さまにわずかでもご不快やご懸念を抱かせる事態を招いたとすれば、それは、当社にとってまさに痛恨の極みであるといえます。

この間、当社としてお客さまへのこうした気持ちをどう表せばよいか、よく検討してまいりました。現在、現行のSIGMA SD1をお買い上げいただいたお客さまには、40万円相当の当社製品と交換できるサポートプログラムを検討しております。当該プログラムはSIGMA SD1 Merrill発売後から2012年度末までご利用いただけ、当社の現行製品ならびに、今後発売される新製品のいずれにも利用可能とする予定でおります。詳細につきましては追ってご案内させていただきます。何卒ご理解のほどお願い申し上げます。

あらためまして、SIGMA SD1をすでにお買い上げいただいたお客さま、そして、当社の新しいデジタル一眼レフカメラ再登場を心待ちにしてくださっているお客さまには、平素よりのご愛顧に心から御礼を申し上げます。当社はこれからもアーティストたる写真家の心を揺さぶる理想の写真機器の製造を目指し、一同いっそう精進してまいります。どうぞ、引き続きご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

株式会社シグマ
代表取締役社長
山木 和人