SIGMA dp Quattro Photo Gallery | 大門 美奈

2015年の春はやけに雨の日が多かった。
曇り空の東京を抜けて京都に到着すると、やはり雨。それも大雨だった。その日はギャラリーを巡る予定だったのであまりの大雨に一瞬ひるんだが、革靴を履いてきてしまったことを後悔しつつも雨の中市内を歩いて回ることにした。
普段立ち入ることの出来ない寺院や町屋で素晴らしい作品を数多く目にして刺激を受けたからだろうか、無意識のうちに鞄の中から SIGMA dp3 Quattroを取り出していた。
撮らずにいられない、そんな気分になっていた。普段は3:2でスナップすることがほとんどなのだが、この日はスクエアフォーマットがしっくりくる気がした。京都という完成された街並みの中にいたからかもしれない。どちらが長い短いではなく、風景を「一間」で捉えたくなったのだろうと思う。
早速アスペクト比を1:1に変更して、雨の京都をひたすらスナップしてゆく。写真を撮る喜びだけを感じながら、気付けば傘も指さずに撮影に夢中になっていた。
時間や場所、天候、そのときの気持ちがぴたりとはまるカメラというのはそうあるものではない。幸いにも、雨の中の京都にいた私の手元にはSIGMA dp3 Quattroがあった。
このカメラだからこそ捉えることができた。そんな雨の京都の姿を見て欲しいと思う。

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