シグブラ
第99回:川崎でFoveon物件探してブラブラ

川崎でFoveon物件探してブラブラ

March 3, 2017

CP+ 2017直前の気持ちよく晴れた日曜日。シグマブースで使用するスライドをどうしようかとMacの前で悩んでいた。窓の外は春のような気配が漂っていて、道行く人々が軽装で楽しそうに歩いているのが見える。穏やかで撮影にはピッタリの天候のようだ。急に我慢できなくなって「スライドは夜に作ろう!シグマのカメラは明るいうちにしか写真撮れないのだから!(笑)」と超ポジティブな考えを行動に移すことにした。SIGMA sd Quattro HとCP+ 2017で発表されるレンズなどをバックパックに詰め込んで家を出た。

バスを乗り継いで川崎の中心部へ。人でごった返す川崎駅を通り抜け、さらに京浜工業地帯へと向かう。シグマ本社も同じ川崎市の黒川にあるがまるで様相が違う。黒川は川崎市の最も標高が高いエリアに属し、こちらは昭和がそのまま残っているような臨海のエリアだ。初詣で有名な川崎大師の近くで、多くの”Foveon物件”が見られる。

バスを降りてSIGMA sd Quattro Hにレンズを装着する。まだ発表されていないレンズ群はチョコチョコとこっそり試すことにして、今回はSIGMA 24-35mm F2 DG HSM | Artをチョイスした。キレが良く明るい頼りになるワイドズームレンズだ。人もまばらな渋い街の探索スタートである。

この付近には古いマーケットがいくつか現存している。いくつかの商店が軒を連ねアーケードを形成している昔懐かしいスタイルの”買い物横丁”だ。ときおりそのいくつかを訪ね歩きたくなる。被写体としてとても魅力的なのはもちろん、地元の人たちの生活感を見るのがとても興味深いからである。

路地を丹念に見て歩く。日曜日なので多くの店は閉まっているが、普段の賑わいが想像できた。といっても実際には廃業している店も多いので、ちょっとした地方都市のようなイメージだろうか。この界隈は昭和な建物と平成の建物を強引にブレンドしたような感じがなかなかダイナミックだ。

日曜のマーケットは静かだ。聞こえるのはSIGMA sd Quattro Hのシャッター音だけ。たまに中をブラブラと通り過ぎる人がいるが、暖かな陽気でその表情もどことなく柔らかに見えた。自分も裏にあるスナックが並ぶ通りなどを丹念にブラブラと”Foveon物件”探索した。

そして見つけたのがココである。見事な”Foveon物件”っぷり。トタンに厚く盛られた塗料が、長年の日射しと風雨によってボロボロと剥がれ落ちている様が素晴らしい。以前はクリーニング店と米穀店だったようだがどうやら現在は営業していない模様。この界隈を無言で見つめてきた証人のように感じた。

いい物件を撮影した勢いで産業道路を越える。ここは大きな通りを電車が踏みきりで横断するという、最近少なくなっている珍しいポイントである。歩道橋からその様子を何回かSIGMA sd Quattro Hで撮影した。通りも電車もガラガラだ。

そのまま電車に沿って終着駅までブラブラと歩を進める。ここは貨物の駅にも隣接していて、それを越える大きな跨線橋がランドマークとなっている。平日はこの先にある工場で働く人たちで賑わうのだ。それ目当ての飲み屋などが建ち並び意外と栄えている印象だった。自転車に乗った女の子が登りになっている跨線橋を越えていく。その向こうに羽田空港からの飛行機が通り過ぎる。

ブラブラと貨物駅までやってきた。鉄道ファンが珍しい車両を熱心に撮影していたが、それ以外人は見当たらない。とても静かだ。暖かな風に乗って、どことなく鉄っぽい匂いが漂ってくるのが工業地帯にいることを感じさせる。さて、多摩川沿いに出てから新レンズを試しながらブラブラと”Foveon物件”を撮りつつ帰ることにしよう。夜はスライド制作である。


三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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