シグブラ
第91回:新ワイドズーム持って京都ブラブラ

新ワイドズーム持って京都ブラブラ

October 26, 2016

急遽来日したVIPの早朝撮影を終え、その一行と別れて京都駅に降り立った。ひとまず喫茶店に入って遅めの朝食をとる。朝の撮影を思い返しながら「さて、これからどこに行こうか」と考えた。足元のカメラバッグにはSIGMA sd Quattroと、これから発売になる SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Art が入っているが、店の外は大勢の観光客が行き交っていて、その人混みを見ていると嫌気が差し、つい東京に帰ってしまおうかと考えてしまう。2杯目の珈琲を注文したが、飲み終わっても行き先をはっきりと決めることができなかった。

観光客でごった返す京の街をあてもなくブラブラと歩きながら、SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Art のかぶせ式レンズキャップをとってみる。すると大きく迫力がある前玉が姿を現した。これは存在感がもの凄いレンズである。寺に入って参拝客を撮ってみたが、ワイド感が強烈ながらイヤな歪みがないのに驚いた。SIGMA dp0 Quattroを思い起こす「ゼロ・ディストーション」っぷりである。

このワイド感は狭い路地では絶大な威力を発揮する。背の高い社寺と路地を和装で歩く観光客などを、ラクラクと同時にフレームに収めることができた。しかもそのキレ味はとても鋭い。

しかし京都は観光客が多い。それだけ人気があって素晴らしい街というわけなのだが、この日はいつもより人出が多く感じ、ブラブラ撮り歩くのもスローペースになった。気になったお寺を訪れ、ワイドズームに適した被写体を探してのんびりと撮り歩く。

朝方は涼しかったものの、お昼近くになると気温がグングン上がってきた。ちょっと暑いくらいだ。修学旅行生、外国人観光客も汗をかきながら歩いている。自分も上着を脱いでシャツの袖をまくった。この暑さだと紅葉は少し先だろうか?

しかしこの新しいレンズは使っていて気持ちがいい。広大な風景を歪みなくキュッとフレーム内に閉じ込めて撮影できるからだ。巨大で神々しい前玉は素晴らしい性能を発揮してくれる。堰と渡月橋を難なく収めることができた。

桂川に沿ってブラブラと歩を進める。水面に近いので涼しくて快適だ。ときおり大勢の観光客を乗せた遊覧船が滑るように通り過ぎて行く。川岸に腰掛けてSIGMA sd Quattroでその様子を狙う。船が水を切る音と観光客の歓声が峡谷に響いた。

静かな川を離れて嵯峨野にやってきた。さすがにここは観光客で大混雑である。人混みでゲンナリしたのか、疲れた表情を見せていた海外からの団体客も、ここの核心部に到達したとたん、パッと生気を取り戻して写真を撮りだしたのが面白かった。「次は人が少ない静かな場所をブラブラしたいな」と思いながら、SIGMA sd Quattroをバッグにしまい駅に向かって歩いて行くことにした。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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