シグブラ
第58回:京都の赤い鳥居の山ブラブラ

京都の赤い鳥居の山ブラブラ

June 10, 2015

列車を降り駅から出ると、目の前に大きな鳥居がそびえ立っていた。ここは約1万本もの赤い鳥居が林立しているお稲荷さんである。近年は外国人観光客に人気で、京都でもナンバーワンだという。周囲を見回すとたしかに外国の方が多い。

SIGMA dp Quattro を手に参道を歩き出す。辺りから聞こえてくる言葉は異国語ばかり。平日のせいだろうか外国からの旅行者ばかりだ。皆さん楽しそうにデジカメやスマートフォンで写真を撮っている。

参道が徐々に上り坂になってきた。まばらに立っていた鳥居が、この付近から隙間なくギッシリと立ち並ぶ。とても美しい。人が途切れる瞬間を狙ってシャッターを切った。

道は坂から石段へといつしか変わり勾配がグッときつくなった。幾つもの鳥居をくぐり、たくさんの祭壇の前を通り過ぎた。

汗をかきながら登っていくと急に視界が開けた場所に出た。眼下には京都南部の街並みが見える。なかなかいい眺めだ。ここでは多くの参拝者が足を休めていた。

自分も茶店に入ってソフトクリームを頂いた。甘く、そして冷たくて美味だった。涼風が軒に吊られた鈴を鳴らす。額の汗がゆっくりと引いていった。

一息入れてから再び石段を登る。どうやらほとんどの観光客は先ほどのところで引き返した模様で、歩いている人がグッと少なくなった。たまに神職の方々とすれ違うが、上を目指して歩いているのは自分と海外からの旅行者だけだ。

標高233メートルの頂上に至るまで、いくつもの社を過ぎた。山頂に達してしばし休んだあと、ネコを愛で、鳥居を撮り、山を感じながら道を下っていく。日没は近い。

急に思い立って来た京都。久しぶりだったがせっかくなのでこのまま一泊し、明日もどこかブラブラしてみよう、とiPhoneで安宿を予約した。さて、今晩はどこに飲みに行こうかな、と考えながら駅へと向かった。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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