シグブラ
第55回:春の小田原界隈ブラブラ

春の小田原界隈ブラブラ

April 22, 2015

最寄り駅から小田急ロマンスカーに乗って小田原に向かう。平日昼間とあって乗客はまばらだ。いつもの通り山側の座席を指定し、車窓から丹沢の山並みを眺めながら駅弁を楽しむ。表丹沢の雪はすっかり消え、本格的な登山シーズンを迎えたようだ。緑の山々が視界を占めるようになってきたら小田原は近い。

小田急線小田原駅でロマンスカーを下車する。あまりにも乗り心地が快適なのでもっと乗っていたい気分だ。約1時間の乗車時間では物足りなく感じるほどだが仕方がない。箱根湯本方面に向かう車両の切り離し作業を見物してから改札口に向かう。

JR小田原駅改札上に吊られている名物・小田原提灯を横目に歩く。前回の銀座もそうだったが、ここも外国人旅行者がとても増えた。都心から気軽に日帰りできる距離だし、箱根、富士山方面の玄関口として人気のようだ。日本を楽しんでいって欲しいと思う。

駅からバスに揺られて約30分。高台にある公園に到着した。先ほどロマンスカーから見えた、丹沢が一望にできる展望台があったので山座同定してみた。大山から塔ノ岳、その向こうに神奈川県最高峰の蛭ガ岳が顔を出す。箱根の向こうには富士山が真っ白な山頂部を見せている。人気ドラマのロケに使われた公園だけあって、平日でも小さな子どもを連れたファミリーで賑わっていた。

隣接する植物園に足を延ばす。静かで雰囲気のいい園内をブラブラと歩いたが、春の暖かな日射しが眠気を誘い大あくび。LVF-01を装着したdp Quattroで撮りながら、小田原の長閑な時間を味わう。

つい芝生に横になって昼寝してしまいそうなので、再びバスに乗って山を下りることにした。しかしこのバスの揺れが眠気を誘うのである(笑)。開け放たれた窓から流れ込んでくる暖かい風が、これまた非常にいい案配なのですね。

というわけでバスを途中下車してブラブラを再開。レトロな雰囲気の残るエリアを撮り歩く。小田原界隈は古い建物が数多く残っているので見応えがある。そんなエリアで素敵な古民家カフェを発見したのでランチをすることに。時間の経過を感じさせる品々に囲まれて午後のひとときを過ごした。

食後に熱い珈琲を飲んで目を覚まし、また街を歩き始める。昔ながらの商店がアーケードに軒を連ねるが、元気に営業している店が多いように感じる。海が近いせいか魚屋のショーケースが近海産のもので活気があった。

街外れまで足を延ばす。小田原は文学家の街であるが、この辺りはゆかりのある川崎長太郎が足繁く通った抹香町だ。すでにこの街の名は存在しないが、界隈を撮り歩いて作品の雰囲気を僅かに感じ取ることができた。

街道沿いから細い路地に入り、適当にブラブラとほっつき歩く。出会ったお婆さんと話をしたり、再び魚屋を覗いたりしながら駅に向かう。今回もなかなか充実したブラブラでありました!のんびり各駅停車で帰りながら次のブラブラを考えるとしましょうか。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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