シグブラ
第43回:タイムスリップ気分で佐原ブラブラ

タイムスリップ気分で佐原ブラブラ

October 29, 2014

最近、高速バスに乗って撮影に行くのがマイブームだ。朝にターミナル駅に行き、高速バス乗り場で何となく気になった方向に行くバスにフラリと乗車するのだ。最終バスの時間を確認しておき、現地に着いたらその時間までブラブラと撮影をしている。これがなかなか面白い。というわけで今回は東京駅から高速バスで千葉県の佐原に行ってみた。

東京駅から1時間ちょっとで高速バスはJR佐原駅前に到着した。木造の美しい駅舎がバスから降りた自分を出迎えてくれた。高速バスの乗車率は60%ほどだっただろうか。高速を降りてから幾つかのバス停の後、この駅に着いたがどのバス停でも数名乗客が下車していった。

佐原は水辺の古い街並みが名物だが、駅周辺の廃墟と見間違うかのような建物も魅力がある。超ワイドズームを SIGMA SD1 Merrill に装着して路地を撮り歩く。寂れている印象もあるが、歩いている人々が意外と多い。

味のある裏通りを通り抜けると小野川に出る。ここ周辺の景観が「佐原!」という感じである。小野川に架かる橋を渡っていると、小学生たちを乗せた観光船が通り過ぎた。「こんにちは~!」と元気よく手を振ってくれた。

平日で、しかも大きなお祭りが終わった数日後ということもあり観光客は少なめだ。のんびりとカメラを片手に、ブラブラと佐原の風景を撮り歩く。

味わいのある街並には粋な人たちが集まる。そんな光景を撮りつつ、心地よい風を感じながら水辺を歩いた。いつか宿に泊まってじっくりと佐原を味わいたいものだ。

小野川と古い建物たち。グループの観光客と、小学校の移動教室だろうか子どもたちがその前を通り過ぎる。ファインダー越しのそのシーンはまるでタイムスリップしたかのような感覚だった。

しばし水辺から離れて街中を歩く。晩秋の強烈な斜光がどことなく懐かしい雰囲気の地方都市を包む。ゆっくりとした時間の流れを感じた。

狭い路地を歩いていると、思わず入ってみたくなる酒場を発見。しかし今は営業していない雰囲気だった。残念。

佐原は、水辺はもちろん街中も絵になる建物や街並が多い。旧いまま風化しつつある建物もあれば、しっかりと保存されているもの、中を改装してイタリアンやフレンチレストラン、カフェなどになっている建物もある。

細い路地をくまなく歩いていると、予想だにしない素晴らしい建物に出くわすのが面白い。あまり下調べせず、偶然の出会いをこの街の撮影で愉しんだ。

伊能忠敬の髪と爪を葬った観福寺を訪れた。日が傾き薄暗い墓地を歩く。誰もいないが不思議と墓場は落ち着くものだ。撮影を終えて石段を降りる頃には辺りは暗くなり始めていた。さあ、駅まで戻って高速バスで帰ろう。次はどこをブラブラしようかと考えながら路地裏を急いだ。


三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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