シグブラ
第14回:只見線乗ってローカル線ブラブラ

只見線乗ってローカル線ブラブラ

August 10, 2013

青春18きっぷの旅を続けるため、早朝に宿をチェックアウトして会津若松駅にやってきた。アテにしていた売店はまだ営業しておらず、自販機でペットボトルのお茶を買って、空腹のまま只見線の始発に乗り込んだ。

今日も客車は人がまばらだ。夏休みとあってもっと賑わっているかと思ったが、静かな旅は大歓迎。ディーゼル車は会津若松駅を定刻通り発車すると、大きく蛇行を繰り返す。窓の外に会津磐梯山が現れて、そして消えた。

誰もいない客車の窓を開ける。涼しい風が草の匂いと共に入り込んできた。景色は田んぼと薄曇りの空だけ。車内に設置された寒暖計を見ると21度ちょっとであった。快適!

駅に停まる。下りる人はいるが乗ってくる人はいない。始発はいつもこんな感じなのであろうか。ほどなく災害による不通区間に到着し、バスの代行運転で次の開通区間まで移動した。これを2回繰り返したが、どちらも乗客は自分を入れて4名だけであった。

只見駅から再び鉄路に。降り出した雨の中を、会津から越後へとディーゼル車は走った。こちら側にくると乗降客も増え、僅かにだが夏休みの雰囲気を感じた。車内に響く小学生たちの声が明るい。

小出駅で上越線に乗り換える。次の列車まで時間があったので駅前をブラブラしたが、少ない店もシャッターを閉めており収穫はなかった。空腹のままホームに向かう。クラブ活動であろうか、学生が多くホームで立ち話をしていた。時間の流れが緩く感じる。

上越線の車窓には休日の光景が展開されていた。庭で洗車をする人、犬の散歩をする人、川で釣りをする人・・・。気がついたら終点の水上駅に到着していた。ここの駅前はいろいろと店が並んでいたので、ようやく食事にありつくことができた。食後はちょっと離れたところに展示されている蒸気機関車を撮影。動態保存されている汽車の白煙を楽しむ。

さて、ここからはもう帰るだけ、という気分だ。車窓の景色も郊外のそれとほとんど変わらなくなってくる。まだ青春18きっぷは3コマ分残っているので、ブラリと行き先を変更するのも可能なのだが、駅前の店に繋がれている看板ネコと相談した結果、東京に帰ることにした。きっぷの残りでいつどこをブラブラしようかなあ。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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