シグブラ
第13回:青春18きっぷで会津若松ブラブラ

青春18きっぷで会津若松ブラブラ

July 26, 2013

電車が止まりドアが開くと、爽やかな空気が流れ込んできた。会津若松駅のホームに降り立ったのはほんの数人。カメラを1台だけ持って、青春18きっぷを使って東京から各駅停車の旅でやってきたが、会津の空は薄曇りだった。

夏休み最初の週末とあって、電車も会津若松も相当な人出を覚悟していたが、どちらも閑散としていて拍子抜けした。普通列車から降り駅構内を歩く。のんびりとした空気が漂っていていい感じだ。駅前のあかべこに見送られて、飯盛山に向かってまっすぐと歩を進める。

飯盛山は僅かだが観光客で賑わっていた。訪れている人たちの会話から察すると、どうやら大河ドラマを見て来ているような雰囲気。不揃いな石段を登る。そう長くない距離だが登り切った時には汗をかいた。しかしカラッとした気候のためすぐ乾いてしまう。振り返ると会津若松の街を一望にできた。

周辺を撮影してから白虎隊士の墓をお参りする。そして再び街を見下ろす場所に行き鶴ヶ城を探した。さほど遠くない先に緑に囲まれた天守閣が見えた。

帰りにさざえ堂に立ち寄る。木造の螺旋状でできた斜路は見事だ。歩くとギシギシと音を立て、立ち止まって写真を撮っているとヤブ蚊の襲撃を受けるが、この構造と建築方法を考えているとそれも気にならなくなってくる。

街中をブラブラし、温泉地をかすめて鶴ヶ城にやってきた。お堀を渡って城内に入る。ベンチに座って、美しく堂々とした城の姿にしばし見入った。観覧時間を過ぎていたため内部には入らず、歩いて周囲を巡って姿を楽しむ。時折吹く風がとても心地よい。

日がだいぶ傾いたところでお城を退散。帰路は薙刀の稽古を見学した。窓を開け放った武徳殿内に黄色い声が響く。女子中学生だろうか、薙刀を操る姿が実に美しい。壁には白虎隊の漢詩と什の掟が掲げられていた。暗くなった街を宿に向かって歩く。晩ご飯は会津若松・名物カレー焼きそばと決めていたので、美味しそうな店を探しながら明日のブラブラ行程を考えた。

三井 公一

プロフィール

三井 公一
1966年神奈川県生まれ。
新聞、雑誌カメラマンを経てフリーランスフォトグラファーに。雑誌、広告、Web、ストックフォト、ムービーなどで活躍中。
iPhoneで独自の世界観を持つ写真を撮影、その作品が世界からも注目されているiPhonegrapherでもある。
2010年6月新宿epSITEで個展「iの記憶」を開催。同年10月にはスペインLa Panera Art Centerで開催された「iPhoneografia」に全世界のiPhonegrapherの中から6人のうちの1人として選ばれる。
公式サイトはhttp://www.sasurau.com/
ツイッターは@sasurau

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