光景から受ける衝動。21mm相当の広い画角は、それを余すことなく写しとめるだけでなく、光景そのものに自分が没入したかのような錯覚を感じさせることがあります。さらに画角が広がると、逆に光景は自分から遠ざかり始め、この感覚は21mm相当独特のものだと思います。フレームから自らの気配を消し去ることができた時、かえって感じる自らの目線。そんなカットを撮ることができれば、目の前の光景を自分なりに受け止めることができたのかなと感じます。

ニューヨークは商業ビルのみならず、レジデンスも圧巻の高さを誇ります。マンハッタン島は1枚の岩盤からなっており、それ故に高層建築を可能とするのでしょう。何処までも真っ直ぐ伸びるコの字状の建物を仰ぎ見る。

午前5時を回った頃の7thアヴェニュー。ニューヨーク名物のスチームは、寒い時期だけのものと思われがちですが、実は年間を通して見られます。エキサイティングで24時間眠らぬ街が、もっとも色を失う時間帯。

今やマンハッタンに一般の人々が住むことは難しいでしょう。歴史的な建造物をむやみに建て替えることはできないようですが、9thアヴェニューからハドソン川に至る西岸界隈では、あちらこちらで再開発の建設ラッシュ。膨張し続けるマンハッタン。

日の出直後のイーストリバー。このリアルな水面の描写はFoveonセンサーならではのものです。