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しかし、今は違う。シグマ12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL HSMという、これまでにない常識破りの超広角ズームが発売されたからだ。EOS10DやKiss Digitalに装着した際の画角は19.2-38.4mm相当で、17-35mmの画角にはいま一歩及ばないが、それでも短焦点の14mmレンズよりも広い画角で撮影でき、価格も大幅に安いのが魅力だ。
ちなみに、ニコンからもデジタル専用の12-24mmズームが発売されているが、シグマ12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL HSM は、35mmフルサイズをカバーするイメージサークルを備えているので、デジタル一眼レフだけでなく35mm一眼レフにも使用できるのがアドバンテージだ。特にキヤノンのデジタル一眼レフは、撮像素子サイズが35mmフルサイズ、APS-Hサイズ、APS-Cサイズと3種類ものバリエーションがあるので、将来、APC-Hサイズや35mmフルサイズのデジタル一眼レフが安くなり、そうした上位機種にステップアップしたとしても、シグマ12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL HSMならそのまま使用できる(しかも更なる超広角撮影ができる)。
かくいうこのボクもシグマ12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL HSMを購入したときには、キヤノンEOS10DやKiss DigitalといったAPS-Cサイズのデジタル一眼レフしか持っていなかったが、数ヶ月後には、APS-HサイズのEOS-1D MarkIIが発表され、EOS-1Dsや1Dに比べれば無理すればなんとか手が届く価格だったので、思わず衝動買いしてしまった。このように、撮像素子製造技術や設備の進歩により、APS-Hサイズや35mmフルサイズの撮像素子が安く製造できる時代が、いつ唐突に訪れるとも限らない。そういう意味においては、35mmフルサイズをカバーするシグマ12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL HSMは、いつまでもその魅力を失わず、使い続けられるレンズだ。
また、シグマ12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL HSMは、レンズ駆動が超音波モーターなのも魅力だ。AF駆動が静かで高速、しかも、キヤノン純正レンズ(廉価版を除く)と同様、AF/MF切り換えなしにリアルタイムMFが行なえるのも使い勝手がいい。残念ながらキヤノン製とズームリングの方向は逆だが、マニュアルフォーカスリングの回転方向はキヤノン製と同じだ。
画質も実写サンプルを見てもらえば一目瞭然のように、驚きの超広角ズームにもかかわらず、画面周辺部まで安定した像を結ぶ。開放F値がF4.5-5.6と暗いこともあるが、デジタル一眼レフと超広角レンズの組み合わせで、ここまで乱れのない像を結ぶのは驚きで、歪曲収差の少なさも特筆モノである。
ただ、超広角ズームは被写界深度が深いとはいえ、わずかなピントのズレがてきめんに画質に影響するのがデジタル一眼レフの怖いところ。しかも、カメラのAF測距センサーは、残念ながら12mm域のわずかなピントのずれを検出できるだけの検出精度を持っていないので、遠景を撮影する場合はAFで撮影するよりもMFに切り換え、目測で距離目盛りを合わせた方が確実だ。
シグマ12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL HSMで唯一の不満点は、フィルター装着用の溝もないこと。35mmフルサイズ対応の12-24mmズームなので、広い画角をカバーするために前玉が突出せざるを得ないので、PLフィルターはもちろんのこと、保護フィルターさえも装着できないのだ。それだけが、この12-24mm F4.5-5.6 EX DG ASPHERICAL HSMのウィークポイントではあるが、それ以上に常識破りの超広角描写が楽しめる魅力には代え難い。このスペックのレンズがこの価格で手に入れられることを感謝している。 |