第147回:冬のトロ−ナ・ピナクルズ(Trona Pinnacles)へ
押本 龍一

押本龍一、東京品川生まれ。
82年英語の勉強のため2年の予定で渡米。84年ニューヨークに渡り刺激を受け予定を変更、広告写真スタジオで働き始める。91年フォトグラファーとして独立。95年ニューヨークからロサンゼルスに拠点を移し現在に至る。エンターテインメント関係の撮影中心。近年はライフワークである旅写真に力を入れている。趣味は旅と山歩き。

オフィシャルサイト : http://oshimoto.net/

第147回:冬のトロ−ナ・ピナクルズ(Trona Pinnacles)へ

大きなものは高さ40m以上もある岩の塔は、この辺りが湖だった1万年から10万年前に水中で形成された。カリフォルニア砂漠の冬の朝、澄んだ冷たい空気を吸い込んで不思議な地形を見渡すと異星にいるような気持ちになった。

使用機材:SIGMA dp2 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/250 秒絞り値:F8.0焦点距離:30mm

エルニーニョ現像で数日間降り続けた雨が止んだ2日後、砂漠地帯のローカルな道を走ってゆくと水に流されてきた砂が路面をカバーしている。大型トラックが通ると舞い上がる砂が朝陽に染まる光景に、冬の砂漠の一日が始まったと思う。私は、dpQuattro(0、1、2、3)4台をカメラバックに入れ、500個以上のトゥファ・ピナクルズ(Tufa pinnacles)と呼ばれる石灰華の尖塔がそびえ立つトローナ・ピナクルズへ向かっていた。州道178号から有害なミネラルが流れ出るらしいポイズン・キャニオンを超えて、ダートロードのピナクル・ロードに入る。遠くに見えているピナクルズまでの距離感をつかめないまま水溜りを出来るだけ避けて走ったが、ピナクルズに到着した車は泥にまみれていた。

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枕木に霜の降りたユニオン・パシフィック鉄道の線路。遠くの山々に朝陽が差し始める。

使用機材:SIGMA dp1 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/30 秒絞り値:F8.0焦点距離:19mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:18.35MB

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トローナ・ロード沿いに誰かが積み上げたような岩が集まっている場所があった。ここはオフロード車が集まるようだが不思議な所だ。

使用機材:SIGMA dp1 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/250 秒絞り値:F8.0焦点距離:19mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:21.85MB

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リッジクレスト(Ridgecrest)とトローナ間のランドマーク的なフィッシュ・ロックは、朝陽が当たり遠くからもはっきりと見えた。最初に現れたのは1930年代とも40年代とも言われているようだが、つい最近も再塗装が行われたように見える。

使用機材:SIGMA dp2 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/320 秒絞り値:F8.0焦点距離:30mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:26.15MB

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フィッシュ・ロックがあるポイズン・キャニオン(正式名ソルト・ウェルズ・キャニオン)。普段は涸れ川でオフロード車の通り道にピッタリだが、大雨の時は洪水になるようだ。

使用機材:SIGMA dp0 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/250 秒絞り値:F8.0焦点距離:14mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:23.49MB

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南西のサールズ(Searles)を経由しユニオン・パシフィック鉄道に繋がる線路。左手には8㎞先のトローナ・ピナクルズが見える。真っ直ぐに敷かれた線路を見た瞬間、中望遠のdp3Quattroで縦位置がいいと思った。

使用機材:SIGMA dp3 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/500 秒絞り値:F6.3焦点距離:50mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:3616 × 5424ファイルサイズ:20.43MB

3年前に訪れたときは地面がとても乾燥していた。そして、涸れ川の柔らかい砂地に入り込んだ私の車は出られなくなった。その時の苦い経験からこの日は4WDで乗り込んでいた。大雨からまだ2日後でぬかるんだ所や水溜りはあったが、何の問題もなく動けた。前回はあまりにも不思議な地形を目の前にして冷静さを欠いた行動で砂地にはまってしまったが、この日はパワーのある車も強い味方になり落ち着いて行動できた。

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普段は少しの風でも砂が舞う場所。この日は地面が湿っていて別の土地に来た気がした。

使用機材:SIGMA dp0 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/160 秒絞り値:F11焦点距離:14mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:26.45MB

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誰もいない丘にひとり登る。超広角レンズを活かしきれる風景だった。

使用機材:SIGMA dp0 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/160 秒絞り値:F11焦点距離:14mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:25.94MB

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トレイルに沿って歩き、自分がいる空間を切り取ってゆく作業は楽しい。

使用機材:SIGMA dp0 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/160 秒絞り値:F11焦点距離:14mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:25.88MB

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滑りやすい丘に登りピナクルズを見下ろし、俯瞰的な風景にピッタリの画角で撮影。前回はこのような所に登る余裕はなかった。

使用機材:SIGMA dp1 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/320 秒絞り値:F8.0焦点距離:19mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:27.20MB

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穴の空いた所に登ってみると北端の方にある尖塔が見えた。

使用機材:SIGMA dp2 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/400 秒絞り値:F11焦点距離:30mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:3616 × 5424ファイルサイズ:15.89MB

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グループを成して立つ尖塔の中庭の部分。画角選びがポイントの写真だった。

使用機材:SIGMA dp1 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/400 秒絞り値:F8.0焦点距離:19mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:27.70MB

ピナクル・ロードを走り、ナショナル・ナチュラル・ランドマーク(1967年指定)であるトローナ・ピナクルズ全体

がよく見える所まで来ると地図が設置されている。その地図からトローナ・ピナクルズは、ミドル・グループ、ノーザン・グループ、サザン・グループと名付けられた 3つのグループから成っていることが分かる。ピナクル・ロードを走って来ると自然に到着するミドル・グループには短いトレイルもあるので、ここだけ歩きまわっても十分だが、私はノーザン・グループまで車で移動した。

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見る角度により生き物に見える尖塔がいくつかあった。

使用機材:SIGMA dp2 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/640 秒絞り値:F8.0焦点距離:30mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:25.72MB

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ノーザン・グループ東端付近。石灰華が立つ丘に登りミドル・グループの方を眺め、大きな風景を超広角レンズで撮影。広大な風景と一体になれる瞬間だ。

使用機材:SIGMA dp0 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/400 秒絞り値:F11焦点距離:14mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:20.37MB

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ぬかるんでいた地面も少しずつ乾いていくのだろう。

使用機材:SIGMA dp2 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/400 秒絞り値:F8.0焦点距離:30mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:29.84MB

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太陽を背にして影がほとんど出ないアングルからの撮影はどうか?と思ったが、解像度の高いレンズはトゥファの岩肌を克明に描写してくれた。

使用機材:SIGMA dp3 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/500 秒絞り値:F8.0焦点距離:50mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:20.18MB

ノーザン・グループからミドル・グループへ戻り、サザン・グループへ移動した。トローナ・ピナクルズの南端には、北のトローナにあるミネラル精製工場から南西のサールズ(Searles)を経由し、ユニオン・パシフィック鉄道に繋がる線路が敷かれている。ノーザン・グループを散策中に南下する貨物列車が通るのが見えたので、私は貨物列車を入れてトローナ・ピナクルズを撮ろうとしばらく待ったが、列車は来なかった。

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ぬかるんだ涸れ川を渡る。普段は乾燥して柔らかい砂地になっている。

使用機材:SIGMA dp1 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/640 秒絞り値:F8.0焦点距離:19mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:28.35MB

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トローナ・ピナクルズの南端付近は石がゴロゴロと転がっていた。

使用機材:SIGMA dp2 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/320 秒絞り値:F8.

 

0焦点距離:30mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:3616 × 5424ファイルサイズ:19.48MB

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貨物列車が来るのをしばらく待った場所。ここからの眺めも気に入った。

使用機材:SIGMA dp3 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/500 秒絞り値:F8.0焦点距離:50mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:21.82MB

太陽が西の山に沈む前にトローナ・ピナクルズ全体がよく見え、ナショナル・ナチュラル・ランドマークの入り口のような位置へ移動する。日中は人の気配がしなかったが、4台の車が列をなして現れ、車から出てきた若者達の威勢のいい声がトゥファの間を木霊した。太陽が山に隠れて暗くなり気温が一気に下がった。そして、この場を立ち去ろうとした時、貨物列車が南の方からトローナへ向かって走って来た。

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平らな高台は幅の広い道として使用されている。

使用機材:SIGMA dp0 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/125 秒絞り値:F11焦点距離:14mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:22.27MB

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朝は逆光で眩しかったが、太陽が西へ沈んでいくと影がいい感じに出て力強さを感じた。

使用機材:SIGMA dp3 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/160 秒絞り値:F8.0焦点距離:50mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:20.75MB

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昼間は人影がまったくなかったが、夕方になると若者のグループがどこからともなく現れた。

使用機材:SIGMA dp3 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/250 秒絞り値:F8.0焦点距離:50mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:13.18MB

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太陽が西の山に沈んでゆき、大きな山の影ができた。影の中にある水溜りにトゥファが映り込んだ光景は目に焼き付いた。

使用機材:SIGMA dp2 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/160 秒絞り値:F8.0焦点距離:30mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:17.82MB

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待っていた時には来なかった貨物列車。撮影条件は悪かったが、慌ててカメラを取り出して撮影した。

使用機材:SIGMA dp1 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:-シャッター速度:1/125 秒絞り値:F4.0焦点距離:19mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:11.07MB

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トローナ・ピナクルズを後にピナクル・ロードを走る。この日最後の光が北の山に残っていた。

使用機材:SIGMA dp3 Quattro露出モード:M-マニュアル露出ISO感度:100ホワイトバランス:晴れシャッター速度:1/125 秒絞り値:F4.0焦点距離:50mm
ファイル形式:JPEG画像サイズ:5424 × 3616ファイルサイズ:13.10MB

雨がほとんど降らないカリフォルニアの砂漠は冬に雨が降る。大雨のときは普段Washと呼ばれる涸れ川に水が出て、流される車もある。今年の冬はエルニーニョ現像のため雨が多いようなので、春には砂漠の花が沢山咲くことが予想される。暑くなる前、砂漠にテントを張るのが楽しみになってきた。

※ このページに掲載された作品は、RAWデータ(X3F)を「SIGMA Photo Pro」で現像処理をしたものです。
一部、現像後にゴミ取りのためにレタッチソフトウェアを使用した画像もございます。

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